07/15 Artist Showcase, BIRDMAN, Maker Faire Tokyo 2015

ぬいぐるみに “心”を! BIRDMAN発、 “モノに心を与える” 驚きの構想とは? (Artist Showcase Vol. 2 作品紹介)

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Vol.1 参加アーティスト紹介
「この1000本ノックはまるで “アイデアの泉” ! BIRDMANのエース×ホープの才能に迫る」
 

気鋭のインタラクティブスタジオの看板を背負い、Edisonを使った画期的な作品制作に挑む、BIRDMANのエースことコバヤシタケルと、若きホープ・久野勇人。
前回のインタビューでは現在に至るまでの活動歴から、2人のエンジニアの創造性のルーツと、テクノロジーに向き合う姿勢を知ることができた。
そんな彼らだが、MFT 2015の大舞台に向けて、果たしてどんな作戦を錬っているのだろう。

Edisonで、生き物ではないものに “心” を与える!?

 
Edison Lab:MFT 2015での作品発表に向けて、驚きの “アイデアスケッチ1000本ノック” に取り組んだということですが、その結果について教えてください。

久野勇人: 一言でいうと、ハート型のデバイスです。例えばぬいぐるみに装着して話しかけると、その内容に反応した言葉が返ってくる。要は生き物ではないものに取り付けることで、そのモノに “心” を与え、会話を楽しむことができるようになるというデバイスです。カメラで対象者を顔認識し、その人の言葉をネット経由の音声認識APIで解析して、返事をする。Edisonは小型なことに加えて通信機能が付いているので、デザイン面でも凝ったものが作れそうだと考えています。ハート型になっていて、鼓動のようにLEDが光ればオシャレだな……と。

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Edison Lab: これは面白いアイデアですね! ちなみに、発想のきっかけはどんなところから?

久野:「ネコがしゃべったりしたら面白いですよね」という感じで、話し合っていたんです。最初は「バウリンガル」みたいに、動物の鳴き声を解析して会話できるようにしたいという案も出ていたんですが、MFT 2015の会場で犬に付けて展示したときに、犬が鳴かなくて頭を抱えることになりそうだな……と(笑)。

コバヤシタケル: それで、ぬいぐるみに限らず「モノに心を与えるなら、ハート型がいいよね」ということで、デザインが固まってきたという流れです。でも、それだけではない仕掛けも盛り込みたいと考えています。例えば、ぬいぐるみの角度を検知して、話す内容が変わったりとか。立っている姿勢では普通に可愛くしゃべるんだけど、横になるとすごくガラの悪いヤンキー言葉になるとか、ギャップがあって面白いかな……と。

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テクニカルディレクターのコバヤシタケル

Edison Lab:確かに、そのモノの個性を感じる仕掛けがあると楽しいですよね。でも、かなりハードルが上がりませんか?

久野: いえいえ、どんどん言ってください。がんばって実現しますので……!

怒濤の “アイデア1000本ノック” の成果を見よ!

 
Edison Lab: それ以外に不採用になったアイデアには、どんなものがありますか?

久野: それこそたくさんあります。例えば、下駄を飛ばして、表だったら晴れで、裏だったら雨という動きの制御をEdisonでできないかな……とか。天気予報APIと連携していて、翌日が晴れの予報だったら何度やっても表になるというアイデアだったんですが、どう転がすかが課題でしたね。

コバヤシ: チート感は面白いですよね。放り投げてみて、明らかに違う向きだったはずが、勝手に向きを変えるというアイデア自体は良かったんですが……。

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デベロッパーの久野勇人(左)

Edison Lab: そうした中で、実際にEdisonを触ってみて気付いた点や、期待していることについて教えてください。

久野: すでに音声認識などをテストしていますが、すごく面白いです! スペックは高いし、煩雑な設定なしでWi-Fiにつながったり、あと、Node.jsで書けるところ。パッケージも豊富で、音声認識のパッケージからAPIにつなげて、プログラミングを書き込めば、それだけで認識デバイスができてしまう。とても作りやすいと思います。

コバヤシ: ネットにつながっているからできることは、たくさんありますね。先ほどの下駄のアイデアにしても、自前で気圧センサーを用意したりするのではなく、ネット上で天気予報を調べて表示すればできてしまう。そういった気軽さが、とてもいいと思います。ただ何でもできるだけに、開発の方向性もいろいろありすぎて迷ってしまう。例えばArduinoであればArduinoのIDEしかないので、やることは必然的に決まってくるけれど、Edisonは間口が広くてどこから手を付ければいいのか……って、すごく贅沢な悩みですね(笑)。

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Edison Lab: 今回の作品にあたって技術的な課題や、いちばん苦労しそうなことがあれば教えてください。

久野: レイテンシー、つまり遅延の問題ですね。人間が発した声の内容を解析して、音声合成して返してくるまでの反応速度をどのくらいまで早められるか。でも、早くするだけじゃなくて、合間に考え込んでいるようなセリフを挟んだりしても、リアリティが出て面白いかな、と。

コバヤシ: あとは、画像解析でどれくらい顔認識ができるか。話しかけられて答えるだけじゃなくて、人の顔を見つけて話しかけてくるほうが、感覚的に面白いですもんね。何にせよ、あたかもモノに心を与えたかのように、温かい会話を楽しめるものにしたいと思っています。……って、ごめんね久野くん。またハードルを上げちゃって(笑)。

久野: いえいえ(笑)。がんばります!
 

「心を与える」ということができたらいいな。と、BIRDMANの2人は作品への思いを語った。ときに冗談交じりの話から感じられたのは、「みんなが楽しめるものを作りたい!」という熱い想い。
MTF 2015には子どももたくさん訪れるが、きっと2人が心を与えたぬいぐるみは、子どもたちの興味を一身に集めることだろう。しかし、その実現には、まだまだたくさんのハードルがある。
ここから彼らはどのようにして、この画期的なアイデアを現実のものに変えていくのだろう……?

5月15日、BIRDMANにて
Vol.3へ続く)
 

■Artist data

BIRDMAN
最先端のデジタルプロモーションを手がける精鋭チーム。Webはもちろん、インタラクティブなインスタレーションや制作物、リアルイベントなどの制作に関わっている。ソフトでもハードウェアでも今まで誰も体験したことが無いようなモノを作ることに常にチャレンジしている。Cannes Lionsシルバー, OneShowゴールド、広告電通賞デジタル部門グランプリ2回、Code Awardグランプリ、ADFESTゴールド, Spikes Asiaシルバーなど国内外にて120以上のアワードを受賞。
http://www.birdman.ne.jp